2020~2030を展望する宣教協力
2019.01.01 青木 勝 http://dnjonline.org/ masaruaoki.dnj@gmail.com
「義なるイエス・キリストこそ、私たちの罪だけでなく、世全体のためのなだめの供え物です。Ⅰヨハネ2:1–2 「すべての人との平和を追い求め、また、聖められることを追い求めなさい。私たちは揺り動かされない御国を受けているのですから、感謝しようでありませんか。こうして私たちは、慎みと恐れとをもって、神に喜ばれるように奉仕をすることができるのです。」ヘブル12:14、28
日本、アジアそして世界に広がるビジネスフィールド、災害や戦争の傷跡、移民・難民のコミュニティーなどを巡回しつつ、「世の中から求められているもの、世の中に役立つものは何か」そして「主に喜ばれ、人に喜ばれることは何か」を捉え続けてきました。福音伝道と社会的責任を担い支える宣教協力の包括的アプローチとして、「国際平和につながる国際協力」、「世全体の罪を贖い、主の平和がもたらされる宣教協力」を探求してきました。実際、ポーランドやカンボジアなど、重い歴史を背負いつつ、「国際平和につながる社会変革・未来貢献をめざし、グローカルな共創により強靭な変革Resilient Innovationを推進する国際協力」が取り組まれています。
21世紀における初期20年を締め括る局面を迎え、宇宙の世紀、生命の世紀を牽引する世界潮流の変動は、MDGs(2000~2015)+SDGs(2015~2030)と整合しつつ加速されています。2020~2030は東京オリンピックを契機に持続可能な成長目標SDGs(2030)に向けた環境インフラ整備と、2030~2050に持ち越され継続される平和・安全に向けた人と技術のネットワーク進化、再生や防疫、サイバーセキュリティー対応などが拡大されます。「多文化共生社会における共存・協働により復興再生をめざす次世代アーキテクチャーの開拓」が益々拡大されます。
「被造物ケアCreation Careに向けたビジネス宣教協力を担い支えるディアスポラ宣教協力」の基本構想について、ローザンヌ世界宣教会議第2回LCWE2(1989)~第3回(2016)を経て第4回(2024)へ、日本伝道会議第4回JCE4(2000)~第5回JCE5(2009)~第6回(2016)を経て第7回(2023) ~第は8回(2030)へ、変革に向け予実績が積みあげられ更改されて行きます。 実際、帰国者フォローアップを考える集い(2005)を契機に、国際人宣教向けポータルサイトのDiaspora Network for Japanese, DNJ(2005)とDNJフォーラムが拡大する中、欧米亜からの帰国者を中核にANRC(All Nations Returnees Conference)09~10~12とANRC Open Forum(2016~)が続行されてきた。また、アジア宣教フォーラム(2010~)やアジア日本語教会ファミリーキャンプ(2011~)も開催されてきた。
一方、ローザンヌ運動関係では、アジアローザンヌ宣教会議第7回(2011)、Global BAM Congress(2013)やGlobal Diaspora Network(2013)、そしてローザンヌ運動とWEA共催の 被造物ケア東アジア会議LWCCN/EARC(2017)が開催されるに到りました。
JCE6プロジェクト「ビジネス宣教協力の次世代構想」は「国際平和につながる国際協力の次世代構想」に更改され、ワークショップ「共創による文脈形成」と共に推進されてきました。被造物ケアの対象領域は、環境インフラ整備のみならず、地域防災と地域包括ケア(医療・看護・介護・心のケア)、そして和解に基づく再生を隣人チームワーク(Christian, Muslim, Hindu, Buddhistなど多様な国際人ネットワーク、ロボットやAIとの共創)により対応する方向で拡大されてきました。実際、世の中、行政や事業体のビジネスフィールドにおける文化や心のケア、そしてそれを補う包括的な仲介役として、国際人・国際ファミリーを中核とする信徒主体・信徒主導タスクが展開されます。
2010年代には、被造物ケアを通して「アジアにおける日本の宣教、日本におけるアジア宣教」が先進的に開拓され地域包括ケアが展開されてきました。それは、日本を含むアジアの主要地域のどこにおいても受容・進展可能な「国際協力・宣教協力の文脈共創Collaboration and Co-Creation in the future Context」として深化して行きます。実際、持続可能なアジアの国際協力・宣教協力を支える「次世代アーキテクチャーとグローカルな共創アプローチ」で取り組む次世代興起により、概念的枠組みと事例開発Conceptual framework and Story developmentが受け継がれ積み上げられ発展して行きます。
次世代アーキテクチャーとは、日本の国際協力タスクが活用され、多文化共生社会における隣人チームネットワークが活用され、Society 5.0や5G対応、再生医療や宇宙産業をはじめ未来産業が活用される宣教協力です。また、世全体の罪(テロ、戦争、震災、飢餓、貧困、差別、海洋ゴミを含む多様なゴミなど反平和)からの復興再生による社会変革・未来貢献につながり、技術力を通し地方再生につながり、インターネットTVを通し変革ビジネスにつながる国際協力・宣教協力です。
第2次インドシナ戦争(1955~1975)とカンボジア内戦(1967~1975)、成長の限界(1972)とオイルショック(1973, 1979)を経て、グローバル化の中核となる「被造物ケアに向けたビジネス宣教協力を支えるディアスポラ宣教協力」、そして「国際協力と宣教協力に向けた次世代アーキテクチャーによる次世代ネットワーク」の形成を探求してきました。事業体におけるインフラ整備タスクに加え、NGO/NPOにおけるインフラ整備タスクを並行推進し、ワーク・ライフ・ハーモニーの標準化事例を開拓してきました。東京オリンピック1964/2020を通し、日本、アジアそして世界における主の平和、国際平和につながる持続可能なインフラ整備を通した国際協力と宣教協力が益々拡大するよう祈ります。
多文化共生社会における社会変革・未来貢献を推進するには、行政とのパートナーシップを構成するNGOやNPO、事業体や教会など多様な受け皿ネットワークが、文脈を共創し、各々の特性を活かしつつ共有領域を広げつなぎ合わされる、そうした包括的アプローチの提案と予実績の積み重ねが求められます。それは、21世紀モデルとして1980~2020に開拓され続け、未来2020~2030~2050へと進展して行きます。多様と包括の積み重ねにより、パートナーシップ自体も更改され、変革されて行きます。
環境に対する順応性の豊かさ、豊かな感性で人とバランスを保ってつながる国際人、強靭なメンタリティーと新しい技術を融合させる、移民・難民対応を備えた国際人のチームワークが求められます。祝福を受け継ぎ、牽引とケアの包括的取組みに配慮しつつ、新しい文脈を共創して行きましょう。